自転車旅行でたくさんの荷物を積載する場合、長期の旅行だと通常にバッグでは肩や腰に大きな負荷がかかってしまうため、専用の「サイドバッグ・パニアバッグ」 を使用します。
日本一周・世界一周で定番のバッグもありますが、短期旅行に向いている製品など各種メーカーから様々なバッグが発売されていて、おれぞれ大きく特徴・性能・予算が異なります。
今回は、自転車で長期旅行をするために各種「サイドバック・パニアバッグ」を調べ、実際にいくつかの製品を使用してきたので、バッグの選び方・おすすめ製品について紹介していきます!
サイドバッグ・パニアバッグとは?それぞれの違い・特徴
サイドバック・パニアバッグについて簡単に説明しておくと、自転車専用に作られたバッグで最大で一台に80kg程度に荷物を積載できるようになっています!
形状はバッグによって異なりますが、大半は荷台の左右に取り付けてバランスを保てるようになっているほか、前輪・後輪と両方に付けて積載重量をアップも可能。
「サイドバック」「パニアバッグ」と名前が異なりますが、左右のカバンが一緒になっているかどうかで区別されます。一般的には、左右で分離されているサイドバックのほうが有名です。
GIANTジャイアント 多機能 パニアバッグ <レインカバー付>
サイドバックは左右が独立しているので、片方だけ取り付ける・簡単に自転車から着脱できるなど機能性に優れます。構造が簡易的なので、完全防水仕様の製品もあります。
耐久性にも優れており、少し転んだ程度では破損しないため日本一周・世界一周等の超長期旅行で良く使用されています。価格も高価になりがちですが、買う価値はあります。
一方、パニアバッグは左右両方が一緒になっているので、積載量が増えるかわりに構造が複雑になって簡単には着脱できません。防水仕様のバッグもありませんが、値段が安いバッグが多いです。
それぞれ、カバンのタイプによって特徴が異なるので、自分の走りたい距離・シーン・予算に応じて最適な製品を選択してください。
サイドバッグ・パニアバッグの選び方
自転車旅行に必須となるサイドバッグ・パニアバッグですが、意外にもたくさんモデルがあるために、「どれを買えばいいの?」と迷います。
サイドバッグ・パニアバッグを選ぶ基準としては、「防水性能」「積載量」「耐久性」の3つを重視しながら、それぞれ自分が走りたい距離に合わせて選ぶとよいです。
性能が高ければ高いほど値段も高くなっていきますが、過酷な自転車旅行下では多少高いバッグを買っても、いいものを購入したほうがいいです。
サイドバッグに最も重要な「防水性」
最近の高性能なサイドバッグ・パニアバッグには、エナメル素材を使用した完全防水のバッグも販売されています。ただし、その分値段は高くなります。
一般的なサイドバッグには、「綿・帆布」などの素材が使用されているため防水ではありません。ただし「レインカバー」が付属している場合があるので、多少の風雨なら防ぐことができます。
自転車旅行をしていると、不意に雨が降ってくることも!このとき、完全防水仕様のバッグでなければ中の道具がビシャビシャになってしまい、旅の続行が難しくなることも。
一度自転車旅行の最中に大雨が降ってきたことがあるんですが、防水タイプのリュックでないために衣服が完全浸水。しかも冬場だったので、凍えながら一晩過ごすハメに・・・。
エナメル素材の完全防水のバッグは、水に浸しても浸水しません!なかに水気のものを入れると大変なことになるのですが、予算があるなら完全防水のもの買った方が確実にいいです。
特に電子機器やカメラを持ち運ぶのなら、完全防水のバッグは必須。多少予算をケチったばかりに後悔することもあるので、長期旅行の場合は絶対にいい製品を購入しましょう。
「バッグの積載量」は走りたい距離に応じて選ぶ
▲有名なオルトリーブバッグのラインナップ。容量も色々用意されている。
サイドバッグ・パニアバッグは、製品によって「積載量」が大きく異なります。持ち運べる道具の量が決まってくるので、慎重に選ぶべきです。
小型のバッグで10L、大型のものだと片側だけで30L収納可能なものも。どの程度道具を持ち運ぶかにもよりますが、長期旅行でも前輪で20L、後輪で40L程度のバッグがあれば十分です。
バッグに収納できる道具の量は限られているので、必要な荷物の量に応じて選ぶというよりは「短期旅行の場合は後輪だけのバッグ、長期旅行なら前後に取り付け」などの方法で分けたほうが便利!
トラブル発生時に重量となる「耐久性」
サイドバックによって素材が異なり、必然的に耐久性も変わってきます。昔のバッグに良く使われていた「綿・帆布」は非防水で、見た目は優れているものの耐久性には欠けます。
一方、完全防水仕様の「エナメル素材」は価格こそ高価ですが、よほどのことがない限り破損することはありません。外を何回も引きずって穴が空いたことはありましたが、修復も簡単でした。
自転車旅行にトラブルは付き物なので、どうしても破損するケースはあります。ただ素材によってどの程度耐えられるか?が異なるので、当然耐久性の高いバッグを選ぶことに越したことはありません。
短距離〜中距離走行に向く安価・低容量のサイドバッグ
OSTRICH サイドバッグ
主にランドナー向けに設計されているサイドバック。昔は良く使用されていましたが、最近は完全防水仕様のバッグが発売されたことにより見なくなりました。
防水仕様ではないのでレインカバーを取り付ける必要はありますが、より「自転車で旅をしている感」を味わいたければOSTRICH一択だと思います。
OSTRICH パニアバッグ
OSTRICHのパニアバッグ(バラバラではなく繋がっているバッグ)で、ペアの容量は25L。防水性能はないので、別途レインカバーを用意する必要があります。短距離の旅におすすめ!
ibera パニアバッグ
GIANTのパニアバッグよりも耐久性が向上している安価なバッグ。ペアで容量28Lと小さめなので、長期旅行には向きません。
防水仕様でもないため過酷な環境で使用するのは厳しいですが、安価なバッグのなかではかなり優秀な性能を誇ります。ひとまず短期旅行に挑戦したい、という人にはおすすめできます。
超長距離走行に向くサイドバッグ
日本一周から自転車世界一周旅行まで視野に入れた、走行距離1万km以上の超長距離走行に見合うバッグをピックアップしてみました。
主にエナメル製の完全防水バッグが多く、積載量も多めになっています。その分予算も増えてしまいますが、それほどの距離の旅なら多少のお金を使ってでも安全を重視したほうがいいです。
ArcEnCiel 自転車サイドバッグ
50Lの容量とデザートカラー(ラインナップあり)が魅力的なバッグ。長期旅行にも向いていて、ポケットが合計で4気質もあるため、それぞれ分散して大量の荷物を詰めることができます。
ただし防水仕様ではないので、とっさの雨には対応できません。雨の少ない地域で旅行しない限りは完全防水のバッグを選んだほうが無難です。
UNICO リアパニアバッグ
独特の形状が特徴的なパニアバッグ。容量はペアで46Lとそこそこ大容量なので、長期旅行にも使用できます。
防水仕様ではありませんが、レインカバーが付属しているので簡易的な雨風なら防げます。そこそこ使用者が多く、価格の割にはそこそこ信頼できるバッグです。
ORTLIEB バックローラー
自転車旅行では最も定番のサイドバック!全ての製品はこの「オルトリーブバッグ」と比較して語られますが、完全防水仕様で耐久性も高く、最も性能が高いといっても過言ではありません。
日本一周・世界一周などあらゆる旅行者が使用していて、当然ですが日本人に限らず海外の旅人も多く使用しています。容量はペアで40L。
この「バックローラー」シリーズは後輪用バッグですが、前輪用はもちろんあらゆるカラー・容量の製品が発売されています。自転車旅行を考えてるなら要チェックです。
▼オルトリーブバッグを使用したレビューと様々な製品の種類についてはこちら
【自転車旅行専用】オルトリーブ(ORTLIEB)サイドバッグ を1年間使った感想を述べる
mont-bell ドライサイドバッグ40
アウトドアメーカーでは定番のmont-bell製サイドバックで、こちらも完全防水仕様となっています。オルトリーブ製品と似ていますが、こちらは素材が薄く軽量化されています。
基本的はオルトリーブ製で問題ありませんが、使用者が多すぎて被りまくるのと、「mont-bellブランド」が好きな人はこのバッグを好んで使用しています。
容量はペアで40L、前輪用もオルトリーブと同じ20Lとなっています。
WEEDS リアサイドバッグ
全体的に完成度が高く、デザイン性にも優れる「WEEDS」のサイドバック。オルトリーブバッグより高価ですが、デザイン重視ならこちらがおすすめです。
容量はペアで40Lなので、細かい点以外は特にオルトリーブバッグと変わりません。
トピーク パニアバッグ
自転車パーツメーカーとして有名な「トピーク」製のサイドバックで、片側ずつの販売となっていますがペアだと容量50Lとなり、オルトリーブよりも大容量になります。
エナメル素材の完全防水仕様なので、過酷な長期旅行にも使用できます。10Lの違いは大きいので、より荷物を詰め込みたい人にはおすすめしたいバッグです。
おわりに
というわけで、以上自転車旅行に必須のサイドバッグ・パニアバッグおすすめ製品10選を紹介してみました。
それぞれ機能的な違いがあり、必要とする機能によって予算も変わってくるので自分の目的に合わせたバッグを購入しましょう。
短距離でお試しの自転車旅行なら安価なパニアバッグ、超長距離距離走行の日本一周等の旅まで視野に入れるなら40L以上の完全防水バッグを購入しておけば問題ないです。
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