日本のほとんどの家庭で、「醤油」を調味料として使用していますよね。その多くがスーパーで買ってきた既成品で、手作りで醤油を作っている家庭は今や少数派です。
が!地域によっては、この時代でも醤油作りを行っている家庭が存在します。個人単位で作るのではなく、集落単位でみんな集まって醤油づくりをするらしい。
今回は偶然にも「醤油しぼり」に参加させてもらうことが出来たので、当日のことを書き綴ってみます。都会人には謎に満ちたイベントだったけど、楽しかった・・・!
集落単位で醤油づくりをします。
というわけで、「醤油しぼり」を行うために事前に指定された場所にやってきました。今回は主に周辺の集落から来た方々と、醤油しぼりの専門家を呼んでやっていくみたいです。ちなみにこの場所も、地元の方に提供して頂いたよう。
醤油って、集落単位で作るって知ってました?個人宅で1人1人作るのではなく、みんなで持ち寄ってそれぞれ作業を行ったあと、再び自分たちの分を持ち帰ってそれぞれ消費します。不思議な文化ですね。
僕自身は都会の人間なので、醤油しぼりなんて初めての経験です。いやー、本当楽しみ!
最初は皆で集まって、醤油しぼりの専門家からお話を聞きます。
醤油は大豆から作る・・・というのは周知の事実ですが、一から醤油づくりをするということはそれぞれで大豆を持ち寄って作るんでしょうね。
思ったよりも人が来ていたのだけど、こうやって集落同士で集まれるのっていいですね。ちなみに周辺の地域の方々が中心ですが、県外から来られた方も中にはいました。
最初に醤油しぼりに必要なお湯を沸かすため、釜に火を付けていきます。
皆さん、田舎暮らしをされているだけあって着火がうまいです・・・!
ちなみに、それぞれの家庭から薪を持ち寄って使うみたいです。この辺りも分担で作業をしていくんですね。
そうこうしているうちに、「船」と呼ばれる謎の装置の準備が進んでいきます。
これは一体、どんな用途で使うんだ・・・!?
今までに見たこともないような、変な装置が付いています。
この中に醤油でも入れて、大豆をすり潰すとか?
以前に当ブログでも紹介した、フリーキッズヴィレッジのてっちゃんも到着!フリーキッズで作った醤油をおろしていきます。
こうやって、途中で出会った人と再開出来るっていいねー。
これが、醤油を作る途中段階である「もろみ」を入れた容器。各家庭で持ち寄って醤油づくりをしていきます。
ちなみに、この容器1つで約2年分の醤油が出来るそうです。すげーなー。。。
じゃじゃん!こちらが、醤油の前段階である「もろみ」の状態。
大豆を入れて発酵させた状態ですね。今から、これを絞って皆も知っている醤油にしていきます。
この状態で食べるとかなり塩辛いですが、全然食べれます。美味しいです。
各家庭によって、もろみの味・匂い・色が全然違うんですねー。同じ素材で作っていても、作り方・保存状態によって全然違ってくるみたいです。
醤油しぼりのプロいわく、「この場所にもろみを置いている間は、みんなのもの。どんどん味見をしてほしい」そう。
ちなみに少しいただきましたが、フルーティーなもの、ミントみたいにスッキリするもの、醤油の正統派な味がするもの・・・など多種多様な味ができていました。
醤油しぼりのプロからうんちくを聞きます。
全く知らない話ばかりなので、面白い!
そうこうしている間に、先ほどの「船」が第二形態になっていました。
これからどんな儀式が始まるのか・・・?
醤油って実は透明なんです。
いよいよ、先ほどの「もろみ」に沸かしていたお湯を入れて、溶かしていきます。
大豆のなかにある旨味を溶け出させる目的もあるので、「薄める」のではなく「溶かす」という表現が正しいみたい。
お湯を入れたら、ガンガン柄杓でかき混ぜて別の容器に移していきます。
この辺の作業が大変シビアだそうなので、醤油づくりのプロに任せたほうがいいみたい。
確かに、分量とかシビアだもんなぁ。
そして!ここで先ほどの「船」の登場。
第二形態の時に船にかけられていた布袋に醤油を入れて、ろ過していきます。
この船って、こういうふうに使うんだねー・・・。
1つ1つ布袋を入れて、重ねていくと・・・。
醤油が染みだしてきた!早速ペロリ。
醤油って、こんなに綺麗だったんだね・・・。
こんなに透き通っているとは思わなかった。宝石みたいだな。
かなり塩辛いはずなんだけど、子どもたちも必死で醤油に食らいつきます。
最初から最後まで醤油に張り付いて、飲みまくる子もいるんだとか・・・とても素敵だと思うけど、塩分過多にならないのか?w
いよいよ醤油の完成!
布袋を全て置き終えたら、油圧式のポンプみたいなもので一気に絞り出していきます。
これ、最初消火栓かと思っていたよ・・・。
ある程度絞り終えたら、醤油自体の温度と比重を図って調整します。
あまり詳しいことはわからないけれど、状態によってお湯や塩を追加して細かく調整するみたいです。
これはプロじゃないと難しい作業だね。
絞り終えたら、お湯の入っていない釜に注いで「火入れ」していきます!
火入れすると日持ちするようになるみたいですが、火入れしない状態でも「生醤油」として頂くことが出来ます。
すぐに味が変化するので、醤油を手作りする特権ですな。
頑張って火をつけるの図。やっぱりこの辺に住む子は、火付けがうまい!
醤油を火入れしている間に、先ほどの絞った「もろみ」を布袋から剥がす作業をします。撤収の準備ですな。
これが結構強力にこびりついていて、全然取れねぇ。
これが、さっき布袋に入れていたもろみです。かなりハイパーに絞りだしたのか、短時間でこんなパリパリになっていました!
一応食べることが出来るみたいなので、これも一緒に持って帰ります。
もろみを剥がすことが出来たら、順番に水で洗浄していきます。
撤収の作業だけでも結構大変だけど、みんなで作業できるから早い!
みんなで洗いっこ~♪
作業している間、みんなで一品持ち寄った料理を頂きます。
一品持ち寄りって無駄に豪華になるから最高なんだよな・・・!
料理を食べている間に、醤油の火入れが終了!めっちゃいい匂いが漂ってきます。
アクが凄まじいので、取り除いていきます。あとは冷まして持ち帰るだけ!
蓋を少し開けて冷ましたら、いよいよ醤油を持ち帰る作業。
柄杓で容器に移し替えていきます。
いよいよ醤油が完成じゃー!やっほい!
自分も食うか寝るか、もしくは撮るか話すかしかしていなかったので、最後にはお手伝いw
これで無罪放免にしてください。
醤油を入れた容器を車まで運んで、醤油づくり終了!およそ8時間にも及ぶ大作業が終了いたしました。
皆さん、お疲れ様でした!
おわりに
今回は当然ながら初めての体験だったんだけれども、知らないことばかりで新鮮だった!特に「醤油は透明だった」と初めて知ったときは感動したなぁ・・・。
既成品ばかり市場に流れる昨今、醤油の作り方を知らない人がいっぱいいるかと思います。
醤油づくりのプロによると、「9割以上は大企業による既成品」だそうです。醤油づくりってかなり楽しいので、一緒に体験してみると面白いです!新しい世界が知れます。
というわけで、以上「醤油しぼり初体験レポート」でした!これ、楽しいから皆様も体験してみて!