日本一周を行うには色々な手段が考えられますが、車やバイク以外で旅をする人は「自転車」を選ぶケースが圧倒的に多いです。
僕も自転車で日本一周をしていますが、なかには「ママチャリ」で日本一周をしようとする奇特な方もいます。それも、毎年1〜2人は必ず見かけるんですよねw
現代における日本一周って道の駅やインターネットの整備が進んでいるので、どんな自転車でも旅が出来るようになっているんですよ!ママチャリだと坂を登るのは大変ですが、特別問題なく日本一周出来ます。
今回はママチャリで日本一周する際のノウハウ、最適な装備について考えていきたいと思います。
ママチャリ日本一周について
なんでわざわざママチャリで日本一周するの?
まず、ママチャリ日本一周の基本的事項について回答していきます。
なぜ毎年ママチャリで日本一周する人が現れてくるのでしょうか?まぁ、基本的には「ネタ」の要素が強いでしょうね。「ママチャリで日本一周してる」って聞くと、ちょっと面白いじゃないですか。
ただ年々日本一周の難易度は下がっていっているので、正直「ママチャリで日本一周」と聞いても新鮮さを感じなくなってきているのは事実です。目新しさだけを望むなら、ママチャリじゃなくて別の方法のほうがいいでしょう。
もう一つ魅力的な点は、手持ちのチャリで日本一周で出かけられることです。つまり出費の節約が出来る。
しっかりしたスポーツ自転車で出発したい場合は装備を一から揃えねばなりませんが、ママチャリなら普段利用しているものを流用出来るかもしれないし、装備も安上がりです。
一般的な日本一周の装備品にかけられる予算は、安くて20万〜30万程度です。一方でママチャリは自転車本体が安いのと、カバンも専用のものでなくてもあまり問題にならないので、予算を抑えれば10万程度でも装備品を用意することが出来ます。
ママチャリで日本一周してしんどくないの?
間違いなくしんどいでしょうねw 日本一周の場合は海岸線のアップダウンの少ない地域を通れば、大きい峠等は回避出来ます。
ただ日本には回避できない難所がいくつかあります。岩手県や長崎県のリアス式海岸、神奈川県の箱根峠、新潟県の親不知などです。
ママチャリで日本一周している人は、例え自転車に変速がついていようとほとんど全員が坂を押して上がっています。(笑)逆に押して歩くという技術を駆使すれば、日本の峠程度ならどの場所でも越えられるでしょう。
ママチャリの機種の中には6段変速のタイプもあるので、最低限変速ありタイプを購入すれば多少の峠なら越えられます。
僕の自転車も重量的にはママチャリと変わらなかったのと、変速も一時的に故障してほぼ無いような状態で長野県伊那市から静岡まで縦断出来たので大丈夫かと。
ママチャリで日本一周してメリットってあるの?
以上の点から、周囲のウケがいいこと、旅の出費を節約できることが考えられます。
「クロスバイクに乗って日本一周してきたんだよ〜」よりは「ママチャリに乗って日本一周してきたんだよ〜」というほうが面白いですよね。(笑)
走破性という面で問題視されることが多いんですが、以前元ママチャリで日本一周した人の自転車に乗せてもらったところ、それほど苦もなく30km近くまでスピードを出せました。
荷物がない状態だったので、当然実戦では結果が変わってきます。ただ自分が日本一周にしたマウンテンバイクとそれほど性能差があるように感じられなかったので、変速付きのタイプならそれほど変わらないのかなと。
逆に「ひたすら苦労しながら日本一周したい」という人は変速なしタイプのママチャリで出発してみてください。責任は取りません。(笑)
ママチャリで日本一周する人の中には、「自転車の安さ」を逆手に取って「自転車が壊れたら全部買い換える!」という人もいましたね。(笑)
ママチャリはせいぜい一台15,000円〜25,000円程度なので、1、2回買い換えてもスポーツ自転車の値段には及びません。個人的にはあまりオススメしない方法ですが、こんなやり方もあるということで。
万が一事故にあってしまったとき、潔く買い換えるられるのは大きなメリットですね。そんなこと、想定したくはありませんが。(笑)
ママチャリで日本一周するデメリット
デメリットという点で挙げれば、それこそここに羅列出来ないほど書くことも出来ます。
が、敢えてママチャリで日本一周したい人って、何かしらのデメリットや制約条件があるからこそ出発するという人が多いと思うので、ここでは敢えて書きません。
ただ一つ注意して欲しいことがあります。ママチャリは普通のスポーツ自転車と違ってレバー一つでタイヤを外せないので、パンク修理が面倒くさいんです!
街の自転車屋さんに持っていけば500円程度に直してくれますが、北海道の田舎など周囲に全く店が存在しないエリアもたくさんあります。
そんなときにパンクしたら、一々自分でタイヤを分解してパンク修理をしないといけません。
なので、パンク修理の道具をきちんと装備しておくこと、一度パンクしたら修理に時間が掛かることを念頭において走ってください。
ママチャリ日本一周に最適な装備について
続いて、ママチャリ日本一周に最適な装備について書いていきます。
といっても、大半の道具は通常の日本一周装備と変わりません。違うのは自転車回りで、主に「自転車本体」と「サイクルバッグ」が通常と異なる点になります。
なので、今回はママチャリ日本一周に使える自転車・サイクルバッグについて書いていきますよ。
ママチャリ本体
VOLDY(ヴォルディ)
VOLDY ヴォルディ27インチ ヨーロピアンシティサイクル ダイナモLEDライト
- 変速:シマノ製6段
- 重量:18.5kg
- ハンドル:ストレート
- 予算:¥20,980円(2016.6.9時点)
ママチャリの車種を色々チェックしていて、個人的に良いなと思ったのがこのモデル。
ぶっちゃけ、ママチャリで日本一周する時点で車種についてはなんでも良いと言えるのだけど、このモデルは重量こそそこそこあるものの、変速6段で荷台付き、何より見た目がオシャレなんですよね。
ストレートハンドルなので、「いかにもママチャリ感」はない。でも、「オシャレでスタイリッシュなママチャリ感」をタップリと放っているので、ママチャリで日本一周するならこのモデルに乗りたいと思った。しないけど。
また一般的な26インチの自転車と違って、このママチャリは27インチあるので走破性は高いと思われます。たった2.5cmの違いですが、日本一周する程度の距離を走ればかなり変わってくるのは間違いない。
CANARY’S WING(カナリアウィング)
カナリアウィング (CANARY’S WING) 26インチ
- 変速:シマノ製6段
- 重量:21kg
- ハンドル:カマキリ
- 予算:¥25,704円(2016.6.9時点)
前者がオシャレかつハイパフォーマンスを誇るママチャリだとすれば、こちらは正統派ママチャリのカマキリハンドルとフレームの形状を受け継ぎつつ、なおもオシャレなママチャリといった感じです。
荷物を取り付けるための荷台はもちろん装備されているし、多少の峠越えなら対応できるシマノ製6段変速もあり。
重量が重いのが気になりますが、大体のママチャリはこんな感じなのでそれほど気にする点でもないかなと思います。荷台付きですしね。
21Technology
21Technology 26インチ自転車ママチャリ MC266
- 変速:シマノ製6段
- 重量:18kg
- ハンドル:カマキリ
- 予算:¥15,300円(2016.6.6時点)
「せっかくママチャリで日本一周に出発するんだから、出来る限り安く抑えたい!」という人に最適なモデル。
性能はともかくとして、ママチャリ日本一周に最低限必要な6段変速と荷台が標準装備されており、途中でぶっ壊れない限りは問題なく日本一周出来るかと思います。
ぶっちゃけこのクラスなら家に置いてあるママチャリでも問題ないと思いますが、家庭用に6段変速ママチャリを置いているケースって結構少ないと思います。
3段変速ならあるでしょうが、3段と6段って実際に使うと全然違う(両方乗った)ので、ある程度の快適性を求めるなら6段がいいかと。
自転車バッグ
ママチャリ本体も通常の日本一周装備と異なりますが、自転車バッグも通常とは少し変わってきます。
といっても、別に通常のサイクルバッグ(オルトリーブなど)も装着出来るんですが、せっかくママチャリで日本一周するなら安く抑えたいじゃないですか。
なので、今回はママチャリ日本一周で使える安価なサイクルバッグを紹介していきます。
GIANT リアサイドバッグ
GIANTジャイアント パニアバッグ <レインカバー付> リアサイドバッグ
- 重量:410g
- 防水性能:なし(レインカバー付き)
- 予算:¥3,440円(2016.6.6時点)
こちらは通常の自転車日本一周でも使用できるパニアバッグですが、とにかく安価なことが特徴なんですよ。有名なバッグは1万円以上します。
他のバッグと違って直接荷台に取り付けられるのが特徴で、それほど積載量は多くありせんが、余った荷物は前かごに入れておけばOKです。
バッグを取り付ける加工もしなくてよいので、とりあえず迷ったらこのバッグを選択しておけばOKかなと思います。
UPPER WEST ダッフルバッグ
UPPER WEST ダッフルバッグ DRY BAG DUFFEL 30L
- 重量:995g
- 防水性能:あり
- 予算:¥3,570円(2016.6.6時点)
完全防水のダッフルバッグで、僕も自転車日本一周で追加で荷物を積載したいため、こちらのバッグを購入しました。
ママチャリなら、その頑丈さで通常とは少し違った取り付け方が出来ます。
このバッグを2つ用意して、取手を荷台に巻きつけてしまうんです!荷台の左右にそれぞれ取り付けると、一般的なサイドバッグのようにバランスが取れた装備が完成します。しかも完全防水です。
出典:http://moratorium3journey.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
こんな感じでダッフルバッグを装備するといいです。
この積載方法はママチャリで日本一周したこしろーさんが編み出したもので、機能性は劣るが安価にバッグを購入できるし、特別問題ないということでした。
実はこれ画期的な方法で、自転車にバッグを取り付ける際は重心を出来るだけ下に持ってきた方が安定するんですよね。さり気なく、これらの最も重要な点を達成してしまっている積載方法でもあります。
これからママチャリで日本一周される方は、ぜひこしろーさんのブログを見てノウハウを盗んでおくことをオススメします。面白い人です!
参考記事:241日目 「日本一周で青春ライン」完結
その他、旅用の道具について
その他、ママチャリ日本一周に必要な装備は通常の日本一周と変わりません。
寝袋、テント、自炊道具、メンテナンス用品、衣服などを用意することになります。
下記の記事に自転車日本一周に必要な道具を全て一覧にしてまとめてあるので、よければ参考にしてみてください。
参考記事:【保存版】自転車日本一周旅に必要な装備・服装・アウトドア用具の準備リスト一覧
おわりに
というわけで、以上ママチャリ日本一周についての情報を掲載してみました。
ママチャリで日本一周を始めようという人は稀だと思いますが、大体毎年2人から3人は現れるよう。
今年は残念ながら少ないようですが、ぜひ来年以降チャレンジされる方が現れれば面白いなと思っています。楽しみだぞ!
▼自転車日本一周に必要な道具・予算・必要な知識を全てまとめてみました!
【保存版】自転車日本一周旅行に必要な予算・装備・持ち物とは?旅に必要な全知識