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琵琶湖一周を自転車で行ったことが、日本一周の旅に出発する「キッカケ」となった。

 

自転車日本一周の旅をしていると、「なんで日本一周の旅に行こうと思ったの?」と頻繁に質問される。

実際に「聞きたい!」というニーズがあるのと、自分自身の振り返りのために旅に出たきっかけをまとめてみようと思います。

自転車で琵琶湖一周をしたことで、これまで考えたこともなかった日本一周に興味を持ち始めたんだよね。当時の写真を見ながら振り返ってゆこうと思います。

 

年末に琵琶湖一周

そう、あれは2014年の暮れ、大晦日の数日前だった。今でこそ旅をしているニート・・・もとい暇人だけど、当時は教育関係の活動をしていてあちこち飛び回っていたので、忙しかった。

平日休日ともに基本的には稼働、休みがあってもひたすら読書をしてインプットをしていたんだけど、たまには旅にも出たいよね。

ちょうど年末の休みに差し掛かるタイミングで「休みはここしかねぇ!」と体が自動反射し、気がついたら琵琶湖の湖畔で野宿をしていた。(笑)

 

もともと、小学生ぐらいの時から自転車で遠出をするのは好きだった。

小学校に入りたての時に友達とチャリで遠くの公園に出かけ、昼ごはんのタイミングでも家に帰らなかったために、一家で大捜索した果てにこっぴどく怒られた記憶は未だに残っている。(笑)

高学年になってからは、ふと出かけたくなったときに往復60km走ってみるなんてこともしていた。自転車に慣れていたわけではないので、ほとんど足の感覚がなくなりそうだったけど、それでも遠出するのが楽しくて旅をしていた。

 

高校生になってからは、前述した通り教育関係の活動をしていたので、自転車で長距離走れる機会も少なくなっていた。

でも旅への想いは強かったから、連休が取れたときに1泊2日で往復200kmある、香川県の小豆島へ出かけてみたりもした。初めての野宿、ドキドキしたけど楽しかったなぁ。

そんな出来事を経て、2014年末。僕はのちに日本一周へ出発するきっかけとなる3泊4日の琵琶湖一周旅に出かけていった。

 

氷付くベンチとタクシーのおっちゃん

琵琶湖一周。以前からブラックバス釣りで琵琶湖を訪れたことはあったけど、自転車で湖畔沿いを走ったことはない。まして、琵琶湖一周だなんて。

それまでたまーに長距離走ることはあっても、3泊4日で400km近く走るのは初めてだった。突然出発日の朝ぐらいに「琵琶湖一周に行こう!」と思いついて、ダラダラ準備して出発したのは夕方だったんだけどね。

いきなり親に「ちょっとしばらく旅に行ってくるわ!」なんて告げて、ちょっと困惑されたのはいい思い出。(笑)

 

 

琵琶湖一周の装備。リュックに過剰なほどパンパンに荷物を入れていた。

当時は寝袋とマットは用意していたけど、テントを使用することはなかった。というか、想定すらしていなかった。テントで寝るなんて「玄人がすること」だと思ってた。

琵琶湖の湖北は雪が積もってて大変だったんだけど、よく寒さに耐えて寝られたよなとw

 

 

あまり時間に追われていなかったので、ゆっくりと湖畔沿いを回っていった。

琵琶湖を回りながら、心の底から自由を感じた。自分に羽が生えたような感じ。自分の意思で移動し、心地よい風にあたり、見たい景色を眺め、足を止めたい場所で自転車を降りる。

人間としてはそれが当たり前のはずなんだけど、ちょっと色々と思いつめていたこともあって、当たり前じゃなくなってた。「もしこの旅を、このまま続けられたら最高じゃないか。」当時の心境からは珍しく、心の底から言葉が出てきたのをよく覚えている。

 

 

琵琶湖一周中は、冬だけどあえて野宿をした。もともと野宿は好きだったから。

ある時は公園のベンチで寝て、翌朝見ると霜が降りたことで凍っていてビックリしたり(凍死しなくてよかった)、ある時は道の駅の休憩所みたいなところで野宿をして、一服しにきたタクシードライバーのおっちゃんと話をしたりしていた。

この生き方自体にすごく魅力を感じた。今は一時的に家を出て旅をしているけれど、これを日常的なものにしたい。そんなことも、漠然とだけどこの時に考えていたな。

 

 

周囲の人は仕事や学校に出かけているのに、自分はただ一人自転車で旅をしている。それが不思議でたまらなかった。

自転車に乗りながら色んな景色を眺めるうち、自分の頭の中にあった毒素が少しずつ抜けていくような感覚を覚えた。ちょっと病んでいたのだと思う。(笑)

 

 

「琵琶湖一周」だけを目的としていたので、その日の寝る場所なんて全く考えてなかった。目標だけはあるけど、その日1日どこを走るか、何km走るかは全く自由。

短期間だけど、いかにも「旅っぽい旅」をしていたと思う。道に迷うたびに喜びを感じるという謎の現象も発生していたw

 

さりげない優しさ

 

琵琶湖の湖北に差し掛かったとき、さらに北へ進むと「余呉湖」という小さい湖があるのを思い出した。

ワカサギ釣りで有名な場所で、昔から行きたいと思っていた。積雪でそこまで自転車で到達できるのか怪しかったけど、せっかくだから行ってみることにした。

案の定写真の通りにすさまじく雪が積もっていて、移動が大変でした。よく滑らなかったなぁ・・・。

 

 

どうやら当日は食いが渋かったようなのだけど、構わず桟橋で釣りをすることにした。最悪釣れなくても、いい記念になると思ったから。

途中激しい雪に降られて体温が低下していくなか、なんとか数匹釣り上げることができた。人生初ワカサギ釣りだったので、1人で行ったとはいえ相当テンションが高かったと思う。

帰り際、桟橋の管理棟(?)のようなところに立ち寄って暖をとっていたのだけど、その場に勤めていると思われるおばちゃんが「もうすぐ暗くなってしまうけど、ここで暖をとっていていいからね」と声をかけてくれた。孤独で寒い自転車1人旅には堪らなく暖かい言葉だった。

 

 

その声も、きっと日本一周につながっていたんだと思う。

自転車旅の自由な感覚を味わったのも、素晴らしい出会いがあったのも、野宿をして感じたことも、全て日本一周につながっている。

 

 

琵琶湖一周を終える直前、もうすぐ年が変わるなぁと思いながら、疲労した足でペダルを漕いでいた。

考え事をするうち、ふと「日本一周」という言葉が浮かんできた。ちょうど、湖北から湖南の方に戻ってきて、琵琶湖を離れようとしていたときだったと思う。

「日本一周・・・?なぜ頭に浮かんだのかわからないけど、琵琶湖一周が出来るながら日本一周もできるんじゃね?どうせ行くなら来年、すぐ出発したい!」

 

そう思いついたのもつかの間、すぐに道具を準備し始め、いらない道具を処分し旅へ行く体制を整えた。

仕事先にも「日本一周したいから、辞めます。」と伝え、電光石火のごとく翌年の4月に日本一周に出かけた。当時迷惑をおかけした皆様、ごめんなさい。

 

 

そのような思い出があるので、僕にとって琵琶湖は思い出の場所になった。

ちょうど日本一周から自宅へ一時帰宅する際に琵琶湖も通ったんだけど、ちょっと感慨深い気分だった。そんな過去があって、現在の自分は日本一周をしているんだなと。

現在の自分は忘れてしまっているけど、過去の自分は現在の環境にもの凄く憧れていて、そして僕は夢を叶えた。そう、今自転車で日本一周をしているんだ。

 

おわりに

端的に日本一周のきっかけを話すと「琵琶湖一周して日本一周にも行こうと思った」と単純なものになるんだけど、実は蓋をあけると、このような文脈があって日本一周を思いつき出発していたのでした。

もし今後「日本一周をしたいと考えてる!」という人は、こういう人もいるのだと参考にしてくださいな。(笑)

 

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